
野鳥や飛行機、スポーツなど「遠くの被写体をしっかり撮りたい」と思ったときに便利なのが望遠ズームレンズ。
OM SYSTEMのレンズ 「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」 を実際に使用して感じたレビューを紹介します。
軽量・コンパクトなのでさっと持ち出せるサイズ感に加えて、価格も40,000円程度と比較的安価なのでおススメのレンズです。
作例も踏まえて紹介させて頂きますので、購入を検討している方は参考にしていただけたらと思います。
M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIの基本性能
初めに今回のレンズの基本性能を以下にまとめました。
| 製品名 | M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II |
| 希望小売価格 | 55,000円(税込60,500円) |
| 発売日 | 2013年3月1日(金) |
| マウント規格 | マイクロフォーサーズシステム規格 |
| 焦点距離 | 75-300mm(35mm判換算150-600mm相当) |
| 最大口径比/最小口径比 | F4.8(75mm) – F6.7(300mm)/F22 |
| レンズ構成 | 13群18枚(スーパーEDレンズ、EDレンズ2枚、HRレンズ3枚) |
| 画角 | 16° – 4.1° |
| AF方式 | ハイスピードイメージャAF(MSC) |
| 最短撮影距離 | 0.9m(焦点距離75mm) / 1.5m(焦点距離75mm以外) |
| 最大撮影倍率 | 0.18倍(35mm判換算 0.36倍) |
| 最近接撮影範囲 | 97 x 73mm |
| 絞り羽枚数 | 7枚(円形絞り) |
| フィルターサイズ | φ58mm |
| 大きさ 最大径×長さ | φ69 x 116.5mm |
| 質量 | 423g |
| 主な同梱品 | レンズキャップ(LC-58F)、レンズリアキャップ(LR-2)、取扱説明書、保証書 |
サイズ&重量
一番の特徴は何といっても300mm(35㎜換算で600㎜)という望遠を116.5㎜の筐体で実現している点かと思います。
レンズ重量も423gと軽量なので、PEN E-P7(337g)、E-M1 MK2(574g)と組み合わせても1㎏を切る重量感となっています。
フルサイズのカメラだとレンズ単体で2㎏あったりするので比較すると非常に軽量ですね。
登山や旅行、野鳥撮影など、長時間の持ち歩きが必要なシーンでも疲れにくい構成ですし、大型三脚なしでも、手持ち撮影が十分現実的です。マクロフォーサーズならではだと思います。
さらに、ズームリングやピントリングのトルク感も程よく、
操作時のバランスが自然です。軽量でも安っぽさを感じにくい仕上がりになっています。
AF性能
HPの商品説明欄にはその他の特徴としてオートフォーカス機能が紹介されていました。
ハイスピードイメージャAF(MSC)機能を有しており、高速かつ静かなAFを実現しているようです。
ただ、10年以上前の製品なので使用している感じとしてはそこまでの凄さは感じませんでした。
レンズコーティング
仕様に記載されている以外の面では、レンズのコーティングに「ZEROコーティング」というゴーストやフレア対策のコーティングがされています。
これにより、逆光などの悪条件下でも、クリアな描写性能を実現しています。
最短撮影距離0.9m
「望遠ズーム=寄れない」というイメージを覆すのがこのレンズ。
最短撮影距離が全域0.9mと意外と短く、被写体にぐっと近づいて撮影できます。
花や小物、昆虫などのクローズアップ撮影にも対応可能で、300mm側では背景を大きくぼかした望遠マクロ風の描写も楽しめます。
価格設定
2025年時点での実売価格は約55,000円前後(税込)です。
これだけの焦点距離と描写性能を持つレンズとしては、非常にリーズナブル化と思います。
「とりあえず望遠を試したい」「軽くて安い望遠が欲しい」というユーザー層には、まさにベストバイな1本だと思います。
デザイン性
初代モデル「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7」からの変更点として、外装デザインの一新があります。
II型では、OM-Dシリーズにマッチするマットブラック仕上げを採用しており、指紋や汚れが目立ちにくく、落ち着いた質感です。
カメラとの組み合わせ
参考に私が保有しているE-M1mkⅡとPEN E-P7に装着した状態です。
E-M1mkⅡは本体重量もそこそこあるので、バランス的にはちょうど良い感じです。
一方でPEN E-P7に取り付けると若干レンズ側のほうが重くなります。それでもアンバランスすぎる感じは無いので、そこまで撮影には影響ないです。


簡単な作例
先日、岡山空港に行った際に撮影した飛行機の写真です。
75㎜から300㎜の違いとしてはこのくらい望遠できます。


以下展望エリアから撮影した写真です。天気が良かったこともあり細部までしっかり描写できている印象です。
写真はすべて手持ちで撮影しましたが望遠単でも特にブレることなく撮影できています。レンズには手振れ補正は無いので、PEN E-P7の手振れ補正で対応しています。





使っていて良い点・気になる点
良い点
軽量・コンパクト
300㎜まで望遠できるのにポシェットに入ってしまうサイズ感はマイクロフォーサーズならではの素晴らしいメリットだと思います。
重くて大きいレンズを持ち歩かなくてよいので、気軽に望遠撮影ができます。
野鳥撮影や航空写真はもちろん、子供のイベントなどにも持っていきやすいのでありがたいですね!
価格が比較的安い
私が購入した時は50,000円ほどで購入したと記憶していますが、今では新品でも40,000円台前半で購入できるのでかなり安価になっている印象です。
たまにしかカメラを触らない人はもちろん。カメラを始めたての際などレンズを増やしたくなりがちですが、そういった入門用にも手が出しやすい価格感だと思います。
気になる点
オートフォーカスが遅い
PEN E-P7に取り付けて撮影した際にオートフォーカスがかなり迷うことがありました。
対象が飛行機だったため高速で動いていたので難しかったのかもしれないです。
カメラ本体の影響もあると思うので何ともですが、気になった点として挙げさせてもらいます。
防塵防滴機能が無い
普段そこまで過酷な環境で使用することは無いのですが、ちょっとした小雨が降った時など防塵防滴だと安心です。あったらよかった機能ですね。
最近発売されたOM-SYSTEMの25㎜F1.8のⅡ型は防塵防滴が追加されたので、この商品もⅢ型が出る際には追加されるかもですね。
レンズの質感
筐体がプラスチックなので若干チープに感じます。
その分、軽量化や安価になっているのであまり文句は言えないのですが、一部だけでも金属にしてもう少し高級感があるとなお良かったです。
まとめ
簡単にM.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mmの紹介をさせて頂きました。
いくつか気になる点も挙げさせてもらいましたが、価格の安さと軽量・コンパクトというメリットがとても大きいのでおススメのレンズです。
野鳥撮影や航空撮影などの本格的な撮影だけでなく、子供のイベントなどちょっとした場面でも使用できる活躍の幅が広いレンズだと思います。
発売日が2013年なので、もう少し待てば新型が出るような気もします。
その際は防塵防滴や手振れ補正機能など追加されると嬉しいですね。もちろん価格は据え置きで(笑)
とはいえⅡ型でも十分おススメのレンズなので、気になっている方はぜひ参考にしていただけたらと思います。

